
こんにちは、稗田利明です!
日本企業における生成AIの活用は、世界的な潮流に比べて著しく遅れています。2024年7月の調査では、日本企業の41%がAI導入計画すら持っておらず、実際に導入しているのは24%にとどまっています。これに対し、米国や英国、中国では積極的な導入と経営変革の中核活用が進んでいます。PwCの調査によると、日本で「期待を上回る効果を実感」している企業はわずか13%で、米英の4分の1程度。日本企業の活用が断片的で経営層のリーダーシップや全社戦略が不足していることが背景にあります。
日本の経営者は生成AIの重要性を感じにくく、AIスキルを持つ人材の採用意欲も他国に比べ低い傾向があります。MicrosoftとLinkedInの報告では、日本の知的労働者の生成AI活用率は世界平均の32%に対し75%と大きく差があり、経営者の60%しかAI活用を競争力維持に必要と捉えていません。さらに、「業務経験よりAIスキル重視」の採用方針も世界最低レベルです。
日本の課題は、単なる個人の生成AI利用から組織全体の業務プロセスにAIを組み込む段階(フェーズ2・3)への移行が進まないことにあります。多くの企業が生成AIを単なる効率化ツールとしてしか見ておらず、経営戦略に組み込み、トップ主導によるガバナンスと変革を実現する必要があります。
こうした背景には、日本企業特有の「合意形成重視」「失敗回避志向」「低い目標設定」などの文化的要因も絡んでいます。PwCは日本企業に対し、経営戦略に生成AIを組み込み、経営層がリーダーシップを発揮して全社的な変革を促進し、グローバルの成功例を迅速に導入することを強く提言しています。これが実現されなければ、生成AIによる時代の大きな変革で日本企業が大きく取り残される可能性は否定できません。
- https://note.com/shimada_g/n/n2a0f53a78293
- https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2507/01/news027.html
- https://indepa.net/archives/9510
- https://gri.jp/media/entry/36080
- https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/10792/
- https://hajimari.inc/en/media-en/4939
- https://itcw.xyz/%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%A6%EF%BC%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%88%90ai%E5%88%A9%E7%94%A8%E7%8E%87%E3%81%8C9-1%E3%81%A8%E4%BD%8E%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B%E2%81%89/
- https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/information/field_ref_resources/382c3937-f43c-4452-ae27-2ea7bb66ec75/2ae5ae1b/20250602_news_ai-training-data_report_01.pdf
- https://note.com/nahouemura/n/n582463c0844d
- https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/qv6pgp0000000txx-att/000093706.pdf