稗田利明のIT Insights

ITの未来を探る、情報発信"

iLeakage: Apple製品における新たなサイドチャネル攻撃に関する研究報告 稗田利明

iLeakage: Apple製品における新たなサイドチャネル攻撃に関する研究報告

こんにちは、稗田利明です!

 

ジョージア工科大学などの研究者らが発表した論文「iLeakage: Browser-based Timerless Speculative Execution Attacks on Apple Devices」は、MaciPadiPhoneなどのApple製品に搭載のSafariを標的としたサイドチャネル攻撃に関する研究報告です。この攻撃は、最近発売されたM3チップを搭載した新型MacBook Proでも成功し、ソフトウェアの更新状況に関わらず、Apple製品にとって依然として脅威であることを示しました。

「iLeakage」と呼ばれるこの攻撃は、攻撃者がSafariブラウザに任意のWebページを表示させ、投機的実行を用いてそのページ内に存在する機密情報を回復できるというものです。macOSまたはiOSバイスがiLeakageが仕込まれたWebサイトを訪れると、攻撃者は選択した別のWebサイトをひそかに開き、ウィンドウでレンダリングされるサイトの内容を回収できます。

研究チームは、Instagramのログイン情報の復元、Gmailの受信トレイの復元、YouTubeの視聴履歴の復元をデモで実演し、この脆弱性を実証しました。

この脆弱性は、AシリーズとMシリーズ(M1、M2)のチップが搭載された2020年以降にAppleが製造した全てのデバイスiPhoneiPad、ラップトップ、デスクトップ)を対象としています。またSafariブラウザだけでなく、iPhoneiPad上で実行されている全てのブラウザ・アプリを標的としています。

この発表が10月のことで、今回新たにリリースされたM3チップと最新のmacOS 14.1.1とSafari 17.1を搭載したMacBook Pro上でiLeakageが実行できるかを試したところ、同様の脆弱性を確認できました。

具体的には、ターゲットのFacebookのパスワードを復元し、その後、Android携帯にSMSで送信された2要素認証(2FA)トークンをGoogleメッセージ経由で復元できることを示しました。

 

MacBook Pro(M3)でも機密情報が漏えい 2020年以降のApple製品全てに脆弱性 米国チームが発表(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/0fce52381f48cc8f49d94dc9671d0425bf03fd89