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QRコード悪用詐欺が世界で深刻化 稗田利明

QRコード悪用詐欺が世界で深刻化

こんにちは、稗田利明です!

便利なキャッシュレス時代の象徴ともいえるQRコードが、いま世界各地で詐欺の温床となっています。米国セキュリティ企業Palo Alto Networksの調査によると、同社が1日に検出するQRコードのうち、約15%、1万1000件以上が詐欺サイトへの誘導に悪用されていることが判明しました。日本でも被害は急増しており、2025年度のわずか8か月間で、国民生活センターに寄せられたQRコード関連のトラブル相談は5107件と過去最多を更新しています。

詐欺師がQRコードを狙う最大の理由は、その構造です。白黒の模様を人の目で見ただけでは、リンク先の正体を見抜けません。さらに、飲食店やコンビニなどで日常的に利用されている安心感が警戒心を薄れさせる弱点となっています。最も単純な手口は、本物のQRコードの上に偽物のシールを貼り付ける「上書き型詐欺」です。英国では駐車場の精算機で偽QRコードを読み取った高齢女性が約270万円をだまし取られる事件が発生。米国でも同様の被害が連続しています。

日本国内ではより巧妙な方法も見られます。福岡では架空のデリバリー弁当店を名乗るチラシに偽QRコードを印刷し、注文した利用者のクレジットカード情報を盗み取る事件が起きました。また、愛知では「家賃支払い方法変更」を装ったチラシが配布され、信じた住民がQRコードを通じて約10万円を送金する被害も確認されています。

さらに「返金詐欺」も急増中です。詐欺師は格安商品のネットショップを装い、「売り切れのため返金する」と連絡。銀行振込にトラブルがあると称し、決済アプリでの返金を提案します。実際には、送られたQRコードを読み取った利用者が、自らの手で詐欺師に送金してしまうのです。沖縄ではこの手口で約100万円を失う被害事例も報告されています。

国民生活センターや警察は、「通信販売の返金でQRコードを使うよう指示されたら詐欺」と警告を発しています。街中やメールで受け取ったQRコードを読み込む前には、必ず出所を確認し、不審な表示や連絡があれば家族や関係機関に相談することが重要です。