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ロボットが酔拳を披露、中国AI演舞が熱狂 稗田利明

ロボットが酔拳を披露、中国AI演舞が熱狂

こんにちは、稗田利明です!

中国におけるヒューマノイド開発が、いよいよ人間離れした領域へと突入している。旧正月の恒例番組『春節祝賀会』のオープニングで披露されたのは、なんと人型ロボットによる本格的なカンフー演舞だ。ロボットが宙返りし、跳ね上がり、壁を駆け上がってからバク宙で着地する様は、もはや格闘技というより芸術。棒術やヌンチャク、剣術、さらには酔拳まで再現し、観客を圧倒した。

特に印象的だったのは、子どもの演者とロボットが1本の棒を持ち合い、完全にタイミングを合わせて演舞を繰り広げたシーン。わずかなズレも見せず、まさに「一糸乱れぬ」動きだった。これを可能にしたのは、杭州のロボットメーカー・Unitreeを中心とする複数企業の技術力だ。無錫のMagiclab、北京のGalbot、Noetixの4社が協力して制作し、この巨大番組への出演契約額は計約21億5,000万円に上るという。数億人規模の視聴者に向けたPR効果を考えれば、破格の投資ともいえる。

さらに同時期には、上海のAGIBOTが飛び蹴りでガラスを粉砕するデモンストレーションを披露。清華大学発のベンチャー・ROBOTERAの「L7」も寺院で剣術を演じ、まるで70〜80年代のカンフー映画の世界を再現したようだった。

最近の中国ロボティクスは、掃除や介護といった実用性よりも、表現力やパフォーマンス面での進化を重ねているようだ。もはや「未来の雑技団」と呼ぶべき芸術的領域に、AIが足を踏み入れている。