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JR東海、新型トングレールで寿命倍増へ 稗田利明

JR東海、新型トングレールで寿命倍増へ

こんにちは、稗田利明です!

JR東海は2月19日、東海道新幹線の分岐器に用いられる「トングレール」において、摩耗やき裂を抑制し長寿命化を実現する新形状を開発したと発表した。形状の改良のみで取替周期を大幅に延ばす手法は世界初とされ、2026年1月から本線で試験を開始。効果を確認したうえで全線導入を目指す。

トングレールは列車の進路を切り替える可動部分で、先端が薄く複雑な構造のため摩耗やき裂が発生しやすい。一般のレールが約15年に一度交換されるのに対し、トングレールはわずか約2年で交換が必要だった。交換は夜間に行うため、作業負担や費用が大きな課題となっていた。

新形状では、摩耗低減のために2つの改良を実施。1つ目はレール頭頂面を高くして車輪の直径差を活用し、横圧を軽減する設計で特許を取得。2つ目は車輪が接触する側面の形を車輪形状に近づけ、接触面積を広げて摩耗を抑えるもので、こちらは特許出願中だ。またレール断面を厚くし、側面を直線化して応力の集中を緩和。これによりき裂の発生を防ぐ構造としている。

この改良は、JR東海が2006年から小牧研究施設で行ってきた調査・分析の成果を基に2021年から本格開発された。2024年から車両基地での実証試験を実施したところ、従来比で摩耗を50%以下に抑え、き裂も確認されていない。交換周期は従来の2倍以上となる見通しで、保守作業の省力化やコスト削減が期待される。

今後は本線および車両基地での試験を継続し、効果を確認したうえで2028年度以降に車両基地へ、2029年度以降には本線へ本格導入する計画。さらに、在来線への展開も視野に入れた実証試験を検討している。