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中国発AI「DeepSeek」、国際的に使用制限拡大 稗田利明

中国発AI「DeepSeek」、国際的に使用制限拡大

こんにちは、稗田利明です!

中国のAIスタートアップ「DeepSeek(ディープシーク)」が提供する大規模言語モデルが、世界各国で急速に利用を拡大する一方、プライバシーや安全保障上の懸念から制限や禁止の動きが相次いでいる。DeepSeekは低コストかつ高性能を強みとし、特に新興国を中心に普及が進む。マイクロソフトの報告によると、中国国内で約89%のシェアを持ち、ベラルーシキューバ、ロシア、イラン、アフリカ諸国でも利用が広がっているという。

しかし、データ保存先が中国国内サーバーであることや、中国の国家情報法が企業に政府協力を義務付けている点に各国が不信感を示している。これにより、オーストラリア、チェコ共和国、オランダ、韓国、台湾などが政府機関での使用を禁止または制限。オーストラリアは公的機器での利用禁止を決定し、チェコは行政機関への導入を禁止した。オランダやフランスではプライバシー関連の調査が進行中で、インドも政府職員に使用回避を求めている。ドイツではアプリストアからの排除を要請し、米国では立法措置の検討が始まっている。

一部分析では、DeepSeekが政治的に敏感なテーマに対し検閲的な応答を行う傾向も指摘され、安全性と透明性に疑念が残る。一方で、その低価格モデルはAI導入のハードルを下げ、特に従来主要AI企業の影響が及びにくい地域での普及促進に寄与しているとの評価もある。こうした状況は、AI技術の成長がもたらす地政学的リスクと、テクノロジー普及の必要性とのバランスという新たな国際課題を浮かび上がらせている。