
こんにちは、稗田利明です!
株式会社日立システムズは8月27日、同社が蓄積してきた業務ナレッジと生成AIを掛け合わせ、製造業をはじめとするフロントライン業務の高度な自動化を支援する「アシスタントAIサービス」を発表した。第一弾として提供開始されたのは、マイクロソフトの「Azure AI Foundry Agent Service」を基盤に構築した製造業向けのサービスである。
同サービスは、顧客が保持する設計図や社内データと生成AIを連携させ、図面の品質チェック、過去のヒヤリハット事例の抽出、製品仕様と法令順守項目の確認など、製造業特有の作業を効率化する。これにより、熟練者のノウハウの共有、業務標準化、生産性向上、さらには労働災害の未然防止に貢献するとしている。
日立システムズは導入検討にあたり、50件を超える実証実験と300社規模のアンケートを実施。そこから「熟練技術の継承が進まない」「作業者によって品質に差がある」「人手不足で効率向上が急務」といった製造現場の課題を抽出した。一方、生成AIの利用に関しては「導入ハードルが高い」「適切な活用法が不明」「情報流出への不安」といった障壁もあることが明らかになった。有志調査の結果を踏まえ、直感的なUIやテンプレート化された定型業務呼び出し機能を備え、ITスキルに依存せず誰でも使いやすい仕組みにした点が大きな特徴だ。
さらに、同サービスは顧客のクラウド環境上に構築されるため、データや社内システムとの連携が容易。入力された情報は大規模言語モデルの学習に利用されない仕組みを実装し、個人情報を含む入力には警告が表示されるなどセキュリティ面も強化されている。また、Microsoft Defender for Cloud などマイクロソフトのセキュリティサービスを採用し、ゼロトラストの考え方に基づく安全な運用環境を整備。不正アクセスを防ぐ多要素認証も組み込まれている。
サービス提供体系は3段階に分かれており、試行導入の「スターターパック」、調査・評価段階の「アセスメントパック」、本格運用向けの「アドバンスパック」を用意。小規模な検証から大規模展開まで、企業ごとの状況に合わせた柔軟な導入を可能としている。
日立システムズは今回の製造業向けを皮切りに、営業や医療、プロジェクト支援など業種特化型のアシスタントAIサービスを拡充し、2027年度までに関連売上100億円規模の事業成長を目指す。