
こんにちは、稗田利明です!
理化学研究所(理研)が開発を進める次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」は、2030年頃の稼働を目指し、2025年1月から本格的な開発・整備が始まります。「アプリケーションファースト」を理念に掲げ、現行の「富岳」と比べて5~10倍以上の実効計算性能、AI処理ではゼッタスケールのピーク性能、50EFLOPS以上の実効性能を目指しています。シミュレーションとAIの融合により、アプリケーションの総合的な高速化を数十倍に引き上げることを目標としています。
富岳NEXTの応用範囲は極めて広く、生命科学、新物質・エネルギー、気象・気候、地震・津波防災、ものづくり、基礎科学、社会科学、デジタルツイン・Society5.0の8分野で大きな革新が期待されています。例えば生命科学では、AIと大規模言語モデル(LLM)を活用した多階層データ統合や、個別化医療・創薬基盤の構築が進みます。新物質・エネルギー分野では、全固体電池や太陽電池材料のAI加速計算、大規模磁性材料データベースの構築が可能となります。
気象・気候分野では、集中豪雨や台風の予測精度が劇的に向上し、3次元高密度観測によるリアルタイム予測も実現可能です。地震・津波防災では、マクロ・ミクロ両面からのマルチスケールシミュレーションにより、地震発生後の推移予測や防災対策の高度化が進みます。ものづくり分野では、AIを活用した設計空間探索や最適設計が加速し、多様なニーズに応える製品開発が迅速化します。
基礎科学では、素粒子から宇宙までの幅広い分野で計算能力が飛躍的に向上し、銀河形成や物質の起源解明に迫るシミュレーションが可能となります。社会科学では、LLMベースのエージェントシミュレーションを用いた都市計画や交通シミュレーションが進化し、災害時の影響分析や社会課題の解決に貢献します。
デジタルツイン・Society5.0分野では、都市や社会全体を仮想空間で再現し、IoTデータを活用したリアルタイム高精度シミュレーションが実現。電動車社会への移行やインフラ整備、災害時の通信・道路インフラ影響分析など、多様な社会的課題に対応します。
さらに、量子コンピュータとの連携によるハイブリッド計算や、AIエージェントによる社会模倣シミュレーションなど、最先端技術との融合も視野に入れています。理研内の次世代計算基盤開発部門が中心となり、外部有識者の評価体制も整備しつつ、着実に開発が進められています。
富岳NEXTは、科学・産業・社会のあらゆる分野で新たな価値を創出し、未来社会の基盤となることが期待されています。