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DX支援ITベンダーのリカーリング率明示の重要性 稗田利明

DX支援ITベンダーのリカーリング率明示の重要性

こんにちは、稗田利明です!

デジタルトランスフォーメーション(DX)支援サービスを提供するITベンダーのビジネスモデルとして、「リカーリング」(継続課金)が注目を集めている[1]。リカーリングは、サブスクリプションや従量課金を包含する概念で、継続的なサービス提供によって安定的な収入を見込むことができるストック型ビジネスの典型的なモデルである[1]。

このトレンドにおいて、ビジネスのリカーリング率が高いITベンダーほど、DX支援サービスを積極的に展開している傾向が見られる[1]。今後、ユーザー企業がDXパートナーを選択する際、リカーリング率の高さが重要な判断基準となる可能性が高い[1]。

例えば、インターネットイニシアティブIIJ)は、2024年度上期の決算発表で、ストック売上の割合が80%を超えていることを明示した[1]。また、富士通は「Fujitsu Uvance」ブランドを通じてDX支援サービスを展開し、2023年度実績で21%だったリカーリング率を2025年度には45%に高めることを目標として掲げている[1]。

ITベンダーにとって、リカーリング率を向上させることは今後の生き残りの絶対条件となりつつある[1]。従来のシステムインテグレーション(SI)を主軸としてきたITサービスベンダーも、リカーリング率の向上に注力する必要がある[1]。

このような状況下で、ITベンダーはリカーリング率を積極的に明示し、自社のビジネスモデル転換をユーザーにアピールすることが重要となる[1]。これにより、ユーザー企業はDXパートナーを選択する際の判断材料を得ることができ、ITベンダーは自社の変革を示すことで信頼を獲得できる[1]。

カーリングモデルの構築には、顧客との契約締結のための知財に関する合意形成の仕組み、人材開発機能の構築、ビジネスモデル構築の仕組み、IT実装の仕組み、投資回収のための雛型化と横展開の仕組みなどが必要とされる[2]。これらの要素を整備し、リカーリング率を向上させることで、ITベンダーはDX支援サービスの提供において競争力を高めることができる。

最後に、DXのユーザー事例を紹介する際には、投資対効果の割合を明示することも重要である[3]。これにより、ユーザー企業はDX導入の効果をより具体的に理解し、適切な判断を下すことができる。

ITベンダーは、リカーリング率の向上と明示を通じて、自社のDX支援能力を示すとともに、ユーザー企業との長期的な関係構築を目指すべきである。この取り組みは、両者にとって有益なDXの実現につながるだろう。

Citations:
[1] https://japan.zdnet.com/article/35226629/
[2] https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/publication/chitekishisan/2020/12/cs20201205.pdf?hash=DF36ECC6B426E63074729907283667245B38E896&la=ja-JP
[3] https://japan.zdnet.com/article/35222227/
[4] https://news.yahoo.co.jp/articles/5bc21d965078bd5959ce67f1dd1359f26661bcf5
[5] https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/ss/salesforce/feature/recurring-1/
[6] http://saasinsider.jp/detail/20241129/10/1
[7] https://twitter.com/zdnet_japan/status/1861951403864006688
[8] https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/09750/?P=2