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TOYOと日本IBM、EPCデータ統合基盤を強化 稗田利明

TOYOと日本IBM、EPCデータ統合基盤を強化

こんにちは、稗田利明です!

東洋エンジニアリング株式会社(TOYO)と日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は、プラント建設業務のEPC(設計、調達、工事)における関連データを統合管理・活用するための基盤「EPC Hub(プロジェクトデータ統合ハブ)」の機能強化を完了しました[1][2]。この開発では、EPCプロジェクト分野のさらなる効率化・強靭化を目指し、業界標準のデータモデルを組み込み、Microsoft Azure上に基盤を構築することで、低コストかつ堅牢で拡張性の高いプラットフォームを実現しました[1]。

EPC Hubの主な特徴は以下の3点です:

1. リアルタイム連携機能による高精度な意思決定
データ同士の関係性をデータ分析基盤が自動で処理するリアルタイム連携機能により、ユーザーは分析軸を自由に切り替えられ、プロジェクトの工程間の前後関係や全体の流れを簡単に把握できるようになりました[1][3]。これにより、多角的な視点からデータを活用し、より効果的な意思決定が可能になります。

2. 業界標準のCFIHOS/AWPデータモデルの搭載
新たに業界標準のデータモデルを構築したことで、共通のデータフォーマットが導入され、異なる関係者や部門間の情報共有がスムーズになりました[1]。これにより、部門間の協力体制が強化され、エラーや不整合の発生が抑えられ、プロジェクトのリスクも最小限に抑えることができます。

3. データハンドリング機能の強化
データ分析基盤に様々な機能を搭載し、特にバリデーション機能を強化したことで、データの取り込み時や更新時に自動的にエラーチェックが実施され、不正確なデータの流入を未然に防ぎます[1]。これにより、ユーザーは信頼性の高いデータに基づいて業務を遂行でき、無駄な手直しやエラー修正の時間が大幅に削減され、プロジェクトの工数も減少します。

この機能強化により、蓄積されたデータを活用した予測分析やリスク管理が可能となり、効率的かつ高品質なプロジェクト遂行が可能になりました[1]。また、EPC Hubは拡張性を考慮して設計されているため、今後新しい技術やツールを簡単に取り込むことができ、さらなる機能強化が可能です[1]。

TOYOと日本IBMは、この開発を通じて、TOYOのプラントエンジニアリング業界の知見と日本IBMの業界知識や国際標準に対応できるコンサルティングアーキテクチャー設計・構築の知見を融合させました[1]。両社は、技術革新に柔軟に対応し、最先端のプロジェクト管理手法を取り入れていくことで、顧客のニーズに応えていく方針です[1]。さらに、品質・コスト・工期の総合力で競争力強化につながる基盤活用に加え、グローバル共通のプラントプロジェクト標準メソドロジー活用を通じたビジネス拡大を目指しています[1]。

この新しいEPC Hubの開発は、プラント建設業界におけるデジタル化とデータ活用の重要性を示す重要な一歩となり、今後のプロジェクト管理の効率化と品質向上に大きく貢献することが期待されます。

Citations:
[1] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000578.000046783.html
[2] https://jp.newsroom.ibm.com/2024-11-26-Toyo-Engineering-EPC-Data-Integration-Hub-with-Industry-Standard-Data-Model
[3] https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1642706.html
[4] https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP682703_W4A121C2000000/
[5] https://www.nikkei.com/compass/content/PRTKDB000000126_000107878/preview
[6] https://news.3rd-in.co.jp/article/47f23750-abbf-11ef-a295-9ca3ba083d71
[7] https://news.3rd-in.co.jp/article/f416144e-abbe-11ef-8e94-9ca3ba083d71
[8] https://www.mapion.co.jp/news/release/000000126.000107878/