こんにちは、稗田利明です!
PCとスマートフォンの普及率の推移を分析すると、PCの普及率が横ばいである一方、スマートフォンの普及率が急速に増加していることが明らかになりました。内閣府の消費動向調査によると、2014年から2024年にかけて、PCの普及率は約3ポイントの微増にとどまりましたが、スマートフォンは45ポイントもの大幅な増加を見せています[1]。
この傾向は世代別に見ると、さらに興味深い結果が浮かび上がります。29歳以下と30代の若い世代では、スマートフォンへの偏重が顕著です。特に29歳以下では、2024年時点でPCの普及率が73.7%であるのに対し、スマートフォンは98.5%と圧倒的な差があります[1]。
40代と50代は、PCの普及率を底支えしている世代と言えます。しかし、この世代でもスマートフォンの普及率がPCを上回り、PCの普及率は緩やかな減少傾向にあります[1]。
一方、60代以上の世代では、PCの普及率が増加傾向にあり、他の世代には見られない動きを示しています。これは、デジタル化が進む社会に適応しようとする高齢者の努力の表れかもしれません[1]。
現在、PCメーカー各社がAI対応モデルを発売していますが、AIがPCの普及率向上にどれほど貢献するかは不透明です。AIの導入が生活をどのように豊かにするのか、消費者にとって明確なメリットが見えにくいのが現状です[1]。
さらに、スマートフォンにもAI機能が搭載されつつあることから、AIはPC独自の魅力とは言えません。PCの普及率を維持・向上させるためには、AIに続く新たな革新的機能や用途を見出す必要があります[1]。
この状況を打開するためには、PCならではの強みを活かした新機能の開発や、ユーザーにとって明確な価値提案が求められます。例えば、クリエイティブ作業や高度なデータ分析など、PCの処理能力を最大限に活用できる領域での革新的なAI応用が期待されます[2]。
また、企業向けのAI PC市場には成長の余地があります。MM総研の予測によると、2028年度には法人向けAI PCの市場規模が525万台に達する可能性があります。これは、Windows 10のサポート終了に伴う買い替え需要や、AI機能による新たな活用シーンの創出が背景にあると考えられます[3]。
しかし、消費者市場でAI PCが普及するためには、価格と性能のバランスや、一般ユーザーにとって魅力的な使用事例の提示が不可欠です。PCメーカーは、AIの実用的な応用例を積極的に開発・提案し、消費者の購買意欲を喚起する必要があるでしょう[2]。
結論として、AI PCが普及率向上の救世主となるかどうかは、メーカーの戦略と消費者のニーズのマッチングにかかっています。PCの独自性を活かしたAI機能の開発と、明確な価値提案が今後の鍵となるでしょう。
Citations:
[1] https://kn.itmedia.co.jp/kn/articles/2407/08/news005.html
[2] https://newswitch.jp/p/40590
[3] https://news.yahoo.co.jp/articles/65a9bc8cbcef5927a5432ad23663eab4c548bb02
[4] https://jp.tdsynnex.com/blog/ai/what-is-npu/
[5] https://www.kingston.com/unitedkingdom/jp/blog/system-builder/ai-pc-hype-organizations-upgrade-refresh-webinar
[6] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1562858.html
[7] https://www.trendmicro.com/ja_jp/jp-security/24/h/expertview-20240813-01.html
[8] https://jp.ext.hp.com/techdevice/ai/ai_pc_basic/