こんにちは、稗田利明です!
アイルランドの裁判所での審理において、X(旧Twitter)はEU域内のユーザーから収集した個人データをAIの訓練に使用しないことに合意しました。アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は、Xに対しAI開発やトレーニング目的でのユーザーデータの処理を停止または制限する命令を求めていました[1][2]。
Xは、公開された投稿をAI学習に利用することについて、全ユーザーが設定からオプトアウトできると説明しています。しかし、裁判所はXが5月7日にAI学習用のデータ処理を開始し、その後7月16日からオプトアウトのオプションを提供したと指摘しました。当初からすべてのユーザーにこのオプションが提供されていなかったことが問題視されています[5]。
Xは、5月7日から8月1日までに収集したEUユーザーのデータを、DPCの命令に関する裁判所の決定が出るまで使用しないと説明しており、9月4日までに異議申立てを行う予定です[2][5]。DPCは、XがユーザーデータをAIモデルの訓練に利用することが、ユーザーの権利と自由に緊急のリスクをもたらすと考え、裁判所に対してデータ処理の停止を求めています[1]。
この問題は、XがEUの一般データ保護規則(GDPR)に違反している可能性があるとして注目されています。GDPRは、個人データの処理には適切な法的根拠が必要であり、違反が確認された場合には、世界的な年間売上高の最大4%の罰金が科される可能性があります。Xは、ユーザーに通知せずにデータを収集し、AIモデルの訓練に利用していたことが問題視されており、DPCはこの件を欧州データ保護委員会(EDPB)に報告する予定です[1][3]。
この事態を受け、XはAIチャットボット「Grok」の訓練にEUユーザーのデータを使用しないことに同意しましたが、今後の裁判の結果次第で状況が変わる可能性があります[4][5]。
Citations:
[1] https://techcrunch.com/2024/08/07/elon-musks-x-taken-to-court-in-ireland-for-grabbing-eu-user-data-to-train-grok-without-consent/
[2] https://www.politico.eu/article/elon-musks-x-to-pause-ai-training-with-some-eu-data-says-irish-privacy-regulator/
[3] http://www.dataprotection.ie/en/news-media/press-releases/dpc-welcomes-xs-agreement-suspend-its-processing-personal-data-purpose-training-ai-tool-grok
[4] https://www.irishlegal.com/articles/x-to-suspend-use-of-eu-users-data-for-training-ai-chatbot
[5] https://www.channelnewsasia.com/business/x-agrees-not-use-some-eu-user-data-train-ai-chatbot-4536086