こんにちは、稗田利明です!
就職活動において、AI面接官の導入が急速に広がっています。この新しい採用手法は、企業と学生双方にメリットをもたらす一方で、課題も浮き彫りになっています[1][2][3].
AI面接の代表的なサービスとして、タレントアンドアセスメント社が提供する「ShaiN(シャイン)」があります。このシステムは、スマートフォンやタブレットを通じて24時間いつでも受検可能で、すでに585社が導入しています[5].
ShaiNの特徴は、過去の経験に関する「状況」「課題」「行動」「結果」を質問し、約4万件の学習データを基に受験者の回答を分析することです。その結果、「バイタリティ」「計画力」など7つの資質を1.0~10.0のスケールで評価します[5].
企業側にとってのAI面接のメリットは、以下の点が挙げられます:
1. 面接日程や会場の調整が不要
2. 多数の応募者に対して均一な質問が可能
3. 面接官の主観によるばらつきの軽減
4. 短時間で多くの候補者を評価可能
一方、学生側のメリットとしては:
1. 24時間どこでも面接を受けられる柔軟性
2. 人間の面接官と比べて緊張が軽減される可能性
しかし、AI面接にはいくつかの課題も存在します:
1. 感情のない対話によるストレス
2. AIの評価と人間の評価の差異
3. コミュニケーション能力や相性の見極めの難しさ
実際の採用現場では、AI面接を選考の初期段階で活用する企業が多いようです。例えば、ウシオ電機では2次選考としてAI面接を導入しています。ただし、最終的な合否判断は人間が行い、3次選考以降は対人面接を実施しています[5].
AI面接の評価プロセスについて、ウシオ電機の人事担当者は興味深いアプローチを取っています。まずAIの評価を見ずに、回答内容や面接の音声・動画データを確認して合否を決定し、その後AIの評価を参考として確認するという順序を踏んでいます。これは、AIの採点結果に影響されて優秀な人材を見逃すリスクを軽減するためです[5].
AI面接は確かに効率的で、多くの候補者を公平に評価できる可能性を秘めています。しかし、人間同士のコミュニケーションや相性の見極めなど、AIだけでは判断しきれない要素も存在します。そのため、AI面接と人間による面接を適切に組み合わせることが、今後の採用活動の鍵となるでしょう。
企業は、AI面接の利点を活かしつつ、その限界も認識した上で、バランスの取れた採用戦略を構築していく必要があります。同時に、学生側も新しい面接形式に適応し、自己アピールの方法を工夫することが求められるでしょう。AI技術の進化とともに、就職活動の形態も変化を続けていくことが予想されます。
Citations:
[1] https://news.yahoo.co.jp/pickup/6509452
[2] https://www.jiji.com/jc/v8?id=202408AIinterview-team
[3] https://news.yahoo.co.jp/articles/e09ead24ecfd11a37b9d0e316cbe644e9545bd0b
[4] https://twitter.com/jijicom/status/1819196616622199212
[5] https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00625/040200007/