こんにちは、稗田利明です!
三井住友カードは、コンタクトセンターの業務効率化と顧客サービス向上を目指し、ELYZAが提供する生成AIの本番利用を開始しました[1][2][3]. この取り組みは、クレジットカード業界における生成AI活用の先駆的事例となっています[5].
導入された生成AIは、検索拡張生成(RAG)技術を活用しており、ELYZAが開発したLLM実用化プラットフォーム「ELYZA App Platform」を通じて提供されています[2][3]. RAG技術は、大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせることで、回答の精度を向上させる革新的な手法です[1][2].
三井住友カードがこの生成AIを導入した背景には、キャッシュレス決済の急速な普及があります。2023年の消費全体に占めるキャッシュレス決済比率は39.3%と過去最高を記録し、同社の新規カード申込数も2023年度に500万件を超えました[1][3]. これに伴い、コンタクトセンターへの問い合わせ件数は月間約50万件に達し、対応品質と処理能力の向上が急務となっていました[1][3].
生成AIの導入により、顧客からの問い合わせに対して、社内データを自動的に検索し、回答の草案を生成することが可能になりました[1][2][3]. 2024年6月末からメール回答業務で利用を開始し、年内にはチャットでの問い合わせにも展開する予定です[1][3]. 最終的には、オペレーターの問い合わせ対応時間を最大60%程度短縮できると見込んでいます[1][2][3].
ELYZAの生成AIが選ばれた理由として、RAG技術の高度な活用が可能であることに加え、独自のLLM活用基盤による堅牢性が挙げられます[1][3]. これにより、セキュリティ基準の高い金融機関のコンタクトセンターでも、リスクを抑えながら活用できる点が評価されました[1][2].
この取り組みは、生成AIを活用してカスタマーサポートの品質向上と効率化を同時に実現する先進的な事例として注目されています。今後、他の金融機関や顧客サービス業界にも同様の取り組みが広がることが予想され、AIによる業務革新の新たな潮流を生み出す可能性があります。
Citations:
[1] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000047565.html
[2] https://japan.cnet.com/article/35220906/
[3] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000506.000032321.html
[4] https://www.nikkinonline.com/article/198459
[5] https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1604898.html